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技術解説公開日

ロール成形とプレス、どう使い分ける? — 590〜1700MPa時代の工法選び

同じ「鋼板を曲げる」工法でも、ロール成形とプレスでは得意分野がまったく違います。断面形状・数量・強度クラス別の使い分けの目安と、超高張力鋼の時代にロール成形が注目される理由を解説します。

ロール成形による多様な断面形状の例

自動車の構造部品の多くは、鋼板を曲げて断面をつくることで強度を出しています。その「曲げ方」の代表がプレス(スタンピング)とロール成形です。どちらを選ぶかで、金型費・部品単価・実現できる強度クラスが大きく変わります。

ロール成形とは

ロール成形は、コイル状の鋼板を何段ものロールに通し、少しずつ曲げて目的の断面に成形する連続工法です。一定断面の長尺部品を高速・高精度に量産でき、曲げが段階的なため、プレスでは割れやすい超高張力鋼(590〜1700MPa級)でも成形できるのが最大の強みです。インラインのレーザー溶接と組み合わせれば、閉断面(管状の断面)も連続的につくれます。

  • 得意 — 一定断面・長尺の部品(レール、梁、フレーム、ガイドレール)
  • 得意 — 超高張力鋼・ステンレスなどの難成形材
  • 得意 — 中〜大量産(金型費はプレス比で低め)
  • 不得意 — 断面が長手方向で変化する複雑な3D形状

プレス(スタンピング)とは

プレスは、上下の金型で鋼板を一気に成形する工法です。三次元的に複雑な形状を少ない工程で成形でき、パネル類・ブラケット類など自動車部品の主力工法です。ただし高強度になるほどスプリングバック(成形後の跳ね返り)と割れが厳しくなり、金型費も上がります。1500MPa級では鋼板を加熱してから成形するホットスタンプが使われますが、設備・エネルギーのコストは相応にかかります。

  • 得意 — 複雑な3D形状・絞り形状(パネル、ハウジング)
  • 得意 — 超大量産(サイクルタイムが速い)
  • 注意 — 超高張力鋼はスプリングバック・割れ・金型摩耗が課題
  • 注意 — 金型費が高く、少量・試作には不向き

使い分けの目安

  • 断面が一定で長い部品 → ロール成形(電池トレイ補強梁、サイドシル、シートレール、ガラスラン)
  • 三次元的に複雑な形状 → プレス
  • 1000MPa超の閉断面が必要 → ロール成形+レーザー溶接、またはホットスタンプ
  • 試作・小ロット → 曲げ加工・レーザー加工・簡易型も含めて検討

調達の視点から

工法の選択は、部品単価だけでなく金型投資・リードタイム・設計変更への強さに効きます。ロール成形はロール型の設計ノウハウが品質を左右するため、断面ライブラリ(過去に成形した断面の蓄積)が豊富な工場ほど立ち上がりが速く、安定します。FENTEXの協力工場には、約100種の断面実績を持ち、大手自動車・EVメーカーへの量産供給を続けるロール成形専業工場(IATF 16949認証)が含まれます。図面段階からの工法相談も、無料見積もりとあわせてお気軽にどうぞ。

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