EVの床下に収まる電池トレイ(電池ケース/バッテリーハウジング)は、数百kgの電池セルを支え、衝突・振動・水・熱から守る構造部品です。車体剛性の一部を担うことも多く、EVの安全性とコストの両方に直結する「調達の要」になっています。
電池トレイの基本構造
一般的な電池トレイは、①枠体(フレーム)と底板、②内部の補強梁(クロスメンバー)、③冷却板(水冷プレート)、④シーリング・防水、⑤取付ブラケット類で構成されます。ひとつの「箱」に見えて、実際には押出材・ロール成形材・プレス材・鋳造品など、複数の工法でつくられた部品を溶接・接合した集合体です。
- 枠体・補強梁 — アルミ押出材、または高張力鋼のロール成形材が主流
- 冷却板 — 熱伝導性の高いアルミ(3003系など)のろう付け・接合品
- 底板・カバー — アルミ板またはプレス鋼板
- 接合 — レーザー溶接・MIG・FSW・構造接着の組み合わせ
アルミか、高張力鋼か
枠体・補強梁の材料は大きく「アルミ押出」と「高張力鋼(ハイテン)」に分かれます。アルミは軽く耐食性に優れる一方、材料費が高めです。近年は590〜1700MPa級の超高張力鋼をロール成形で連続成形し、レーザー溶接で閉断面化する工法が、コストと衝突安全を両立する選択肢として採用を広げています。
- アルミ押出 — 軽量・耐食・熱伝導に優れ、冷却一体設計がしやすい
- 高張力鋼ロール成形 — 材料費が安く高強度。長尺・一定断面の補強梁に最適
- ハイブリッド — 外枠はアルミ、内部補強梁は高張力鋼という組み合わせも一般的
調達時に確認したいポイント
- IATF 16949(自動車品質マネジメント)認証の有無
- 材料証明(ミルシート)と、規格グレードの対応関係
- レーザー溶接の品質管理(断面マクロ・気密試験など)
- 長尺部品の寸法精度と、輸送・梱包の計画
- 金型・ロール型の費用負担と所有権の取り決め
- 試作ロットと量産ロットの条件差
特に日中間の調達では、材料グレードの呼称(例:HC340/590DPのような欧州系呼称と中国国標の対応)や、検査成績書の書式がすれ違いやすいポイントです。発注前に「どの規格で」「どの書式で」を固めておくと、受入検査のトラブルを大きく減らせます。
FENTEXのネットワークでできること
FENTEXの協力工場ネットワークには、590〜1700MPa級の超高張力鋼ロール成形+レーザー溶接を専業とし、大手EVメーカー向け電池トレイ部品の量産実績を持つ工場(IATF 16949認証)や、鋳造ビレットから押出・加工・表面処理まで一貫対応し電池水冷板の供給実績を持つアルミ工場が含まれます。図面1枚から無料でお見積もりし、試作から量産まで日本語窓口ひとつで対応します。

